ここで言う「運用益」として最も実態に近い「決算上の剰余金(利益)」と、その主な源泉である「運用収入(利子収入)」を記載します。
外国為替資金特別会計 運用益の推移(直近5年)
※出典:財務省「外国為替資金特別会計 決算」各年度版より作成 ※「運用収入」は予算ベースや財務書類ベースではなく、決算概要における収入内訳の数値(百万円単位を四捨五入)を参照しています。
データの見方とポイント
主な利益の源泉は「金利差」 運用益の大部分は、保有している外貨資産(米国債など)から得られる「利子収入」です。日本が発行する「政府短期証券(FB)」の低い金利で資金を調達し、金利の高い外貨で運用するため、その差額(利ざや)が利益となります。
特に2022年度以降は、海外(主に米国)の金利上昇に伴い、利子収入が増加傾向にあります。
「為替差益」について 上記の「剰余金」には、実際にドルなどを売買して確定した「実現益」のみが含まれています。
含み益(評価益)は含まれていません: 近年の円安進行により、計算上の資産価値(円換算額)は数兆円〜数十兆円規模で増えていますが、これらは「評価益」であり、現金の利益(剰余金)としては計上されず、一般会計への繰り入れ対象にもなりません。
利益の使い道 この剰余金の多くは、国の一般会計(国家予算)に繰り入れられ、防衛費やその他の政策経費の財源として活用されています。
◆日本の外貨準備高(総額)の年度ごとの推移をまとめました。 外貨準備高は通常、米ドル建てで計算・公表されます。日本の会計年度末(3月末)時点のデータです。
日本の外貨準備高の推移(年度末ベース)
※出典:財務省「外貨準備等の状況」各年度末データより ※直近(2025年末時点)では、1兆3,700億ドル台まで回復傾向にあります。
推移のポイント
2022年度の減少(円安介入の影響) 2022年(令和4年)秋に実施された、約24年ぶりの「円買い・ドル売り介入」により、保有していた米ドル預金などが取り崩されたため、外貨準備高が大きく減少しました。また、世界的な金利上昇に伴い、保有している米国債の時価評価額が下がったことも減少要因となりました。
その後の回復 その後は、大規模な介入が行われていない期間の運用益(利子収入)の蓄積や、金価格の上昇などにより、外貨準備高は緩やかな増加・回復基調にあります。
内訳(構成) 総額の約8割〜9割は「証券(米国債など)」が占めています。残りは「預金(各国外為当局やBISへの預金)」、「金(ゴールド)」、「IMFリザーブポジション」などで構成されています。
中国の外貨準備高の最新の内訳については、中国当局から詳細な通貨別構成比率などは公表されていません。
しかし、入手可能な統計や市場の推計から、主要な構成要素とその傾向は以下のようになっています。
◆中国の外貨準備高の内訳(推計と傾向)
総額:約3兆3,579億ドル(2025年12月末時点)
米国債(減少傾向)
かつては最大の構成資産でしたが、近年は保有高を減らす傾向にあります。
米財務省のデータによると、2025年11月末時点の保有額は約6,826億ドルで、日本、イギリスに次ぐ第3位となっています。
金(ゴールド)(増加傾向)
外貨準備の多様化(ドル依存からの脱却)を進めるため、近年、金の購入を積極的に進めています。
中国人民銀行の発表によると、2025年末時点での公式保有量は約2,300トンを超えており、金額ベースでは約3,195億ドル程度と推計されます。
※一部の市場関係者の間では、公式発表よりもはるかに多い量を保有しているとの見方もあります。
その他の通貨・資産(推測)
米ドルや金以外にも、ユーロ、日本円、英ポンドなどの主要通貨建ての資産や、その他の国の国債、国際機関への預金などで運用されていると見られています。具体的な割合は不明ですが、米ドル資産の減少に伴い、これらの割合が相対的に高まっている可能性があります。
まとめ
中国の外貨準備は、依然として米ドル資産(米国債など)が大きな割合を占めていると推測されますが、その比率は低下傾向にあります。一方で、「安全資産」とされる金の保有を増やし、資産構成の多様化を進めていることが明確な特徴です。

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