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2026年12月に切れるとみなされる、日韓スワップ協定について。

日中韓の経済関係


直近の首脳会談(2025年後半〜2026年初頭の李在明大統領の訪日等)において、「日韓通貨スワップ協定」の再開や拡充に関する具体的な要請があったという事実は、公式には発表されていません。

メディア報道は「包括的な経済協力」や「シャトル外交の継続」といった表現にとどまっています。

しかし、そのことに関して何らかの要請が韓国側から日本川にあったと推測される背景(韓国側の事情や他国との動き)は明確に存在します。現在の状況を整理すると以下のようになります。

1. 「再開」ではなく「拡充」の可能性

実は、日韓通貨スワップ協定自体は、2023年6月にすでに「再開」で合意されており、現在は有効な状態です(契約期間は3年間、限度額は100億ドル)。 したがって、もし今回韓国側から要請があったとすれば、それは「再開」ではなく、かつての規模(700億ドルなど)への「増額(拡充)」や、2026年12月に迫る期限の「延長」に関する打診だった可能性が高いと考えられます。

※2023年12月1日に締結・発効した日韓の第3次二国間通貨スワップ取極(交換上限100億米ドル)は、署名日より3年間の有効期間を持つとみられますが、具体的な満期日は現時点の財務省発表では明記されていません。これは2023年6月の第8回日韓財務対話の合意に基づくものです。

2. 中国とは「スワップ締結」を明言

非常に示唆的な点として、2025年11月の「中韓首脳会談」においては、公式成果として「通貨スワップ協定の締結(または延長)」が明確に発表されています。 同時期の外交活動において、中国とは具体的な「スワップ」という実利を確定させている一方で、日本とは「経済安全保障協力」や「未来志向」といった抽象的な合意が強調されている点は、対日交渉においてスワップの具体的な進展が(合意に至らなかった等の理由で)公表されなかった可能性を感じさせます。

3. 韓国国内の経済不安

2025年9月頃の韓国メディアの報道では、韓国の外貨準備高に対する不安(「日本のような無制限スワップの安全装置がない」といった論調)が指摘されていました。この経済状況を踏まえると、水面下で日本に対して金融面での協力強化(実質的なスワップ拡充)を求めていたとしても不思議ではありません。

まとめ

「スワップ要請があった」という公式事実はありませんが、「同時期に中国とはスワップを結んでいること」「既存協定の期限(2026年)が近いこと」を合わせ見ると、包括的な合意の裏に、金融面でのより強固な後ろ盾を得たいという韓国側の意図が隠れていた可能性は否定できません。

 

韓国から見て中国とのスワップ協定では都合が悪い理由

 

韓国にとって、中国とのスワップ協定だけでは不十分(不都合)とされる最大の理由は、「いざという時に、借金の返済に使える『ドル』に換えにくいから」です。

中国とのスワップは規模こそ大きい(約560億ドル相当)ですが、その中身はあくまで「人民元」です。これには致命的な使い勝手の悪さがあります。

1. 通貨の「格」の違い(ハードカレンシーではない)

  • 日本とのスワップ(ドル・円): 日本円は、世界中どこでも通用し、いつでも米ドルに交換できる「国際決済通貨(ハードカレンシー)」です。日本のスワップは「米ドル」そのものを融通する契約が含まれることも多く、金融危機の特効薬になります。

  • 中国とのスワップ(人民元): 人民元は、まだ完全な自由交換が保証されていない「ローカル通貨」の側面が強いです。平時の貿易決済には使えますが、緊急時に国際市場で「ドル」に換えようとすると、中国当局の規制や市場の制限を受けるリスクがあります。

2. 「ドル不足」の危機に対応できない

韓国が通貨危機に陥る時は、海外への借金返済や輸入代金支払いのために「ドル」が不足する時です。 もし韓国が「人民元」を大量に借りても、アメリカの銀行への返済には使えません。危機下では「元→ドル」への交換レートも暴落するか、取引自体が困難になるため、「人民元をいくら持っていても、借金が返せず破綻する(黒字倒産)」というリスクが残ります。

3. 「信用状」としての効果

日本やアメリカとスワップを結んでいるという事実は、「世界的な経済大国が韓国のバックについている」という強力な証明書(信用状)になります。これがあるだけで、海外の投資家は安心し、韓国から資金を引き揚げにくくなります。 一方、中国とのスワップだけでは、西側諸国の投資家に対する「安心材料」としては弱く、通貨防衛の「防波堤」としての効果が薄いのです。

結論として 中国とのスワップは「中韓貿易の支払い」には便利ですが、国家の存亡に関わる「金融危機(ドル不足)への備え」としては機能不全に陥る可能性が高いため、どうしても日本や米国との「ドル(または円)ベースの繋がり」が必要不可欠なのです。


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